不動産王が新築物件を建てるとこうなる!その2
この記事を監修する不動産王wです。
独身時代は高年収サラリーマンとして働きながら、その社会的地位を武器に節税目的でワンルームマンションを12室保有。2018年に法人化し、サラリーマン時代の貯蓄を元手に戸建て投資を開始しました。現在、保有件数は30戸を超え、不動産関連の手取り収入はサラリーマン時代の収入を軽く超えています。都心から地方都市に移住、フルタイム勤務の妻をアラサー副業主夫として支えています
このシリーズではこれまで色々な不動産物件を手掛けてきた私、不動産王がマイホームとしても住みたい賃貸戸建を新築する過程を綴っていきたいと思う。
この話は現在進行形のリアルなお話です。
間取りの設計
前回からの続きで、今回は不動産王がこだわった「無駄のない間取り」を中心に紹介しようと思う。
まずは建物配置図がこちら。
前回のおさらいとなるが、建築地の概要は以下となっている。
- 北面接道で道路幅は4m、東側は水路となっているが、実際は砂利敷きの幅員4mほどの道路となっている(いずれも車は通行可)。
- 向かい側は小学校敷地で体育館横の桜並木。
- 南面は隣地の庭のため眺望は抜けている(ブロック塀あり、建物なし)。
- 西面は隣の家が隣接しており、隣地との間にフェンスはない。
- 敷地面積126平米(約38坪)。
車は4台分の駐車スペースを確保(赤枠内)するため、なるべく建物を南西方向に寄せられるだけ寄せた。
南側にスペースが空いているのは採光の関係上これ以上寄せられないということだった。
西側はエコキュートの土台の関係で1,000mm空ける必要があった。
結果的に南面西面ともに少し余裕のある幅を確保できた。
続いて気になる間取り図はこちら
ここで見ていただきたいのは窓の種類。基本的に道路面と隣家の目線が気になる面の窓は型板(すりガラス)にした。
賃貸物件でもあるので、型板にすることでカーテンの取り付ける数を減らすこともできる。
1F間取り詳細
続いて1F間取り図から詳しく見ていただこう。
ポーチ・玄関
積雪がある地域なのでポーチの屋根部分を広めにした。
その分、玄関の奥行きが少なくなったので、横幅を広くした。
ファミリーなど、人数が多い場合は、玄関は奥行きよりも横幅が広い方が使い勝手が良いのが一般的だ。
宅配ボックスをシューズインクローク(SCL)からアクセスできるように壁に埋め込んだ。
SCL入り口の扉は視覚的に広さを感じられるようにつけていない。
ホール
ホール部分には帰宅後すぐにトイレと洗面所へのアクセスができるように配置した。
洗面所
積雪のあるエリアのため、室内物干しを設置して、その分スペースを広めに確保した。
浴室
1坪サイズの浴室に2Fと合わせた位置に窓を設置した。
トイレ
こちらにも2Fと合わせた位置に窓を設置した。
LDK
LDKとして使うのに最低限必要な14畳とした。
ダイニングテーブルとソファを置くことが可能。
狭い分キッチンはペニンシュラタイプにして視覚的に圧迫感を感じないように配慮した。
南面の窓は採光の関係上掃き出し窓2枚プラスFIX欄間窓(いわゆる嵌め殺し)にし自然な明るさを確保。
東面の窓は外観のデザイン上取り付けることにした。
また、階段下収納をオプションで設置。
2F間取り詳細
続いて2Fの間取り
2Fは3部屋とした。
主寝室にはウォークインクローゼットを設置。
大きめのベッドを入れても余裕のある9.5畳とした。
ウォークインクローゼットには外観のデザインとしてFIX窓を設置。
全ての部屋の窓は1Fと調和のとれた位置に設置し、窓デザインもオプションでありきたりな窓にはしていない。
階段にも1Fのトイレと位置を合わせた窓を設置している。
この間取りで延べ床面積は26.53坪である。
この数字を聞いて、あれ?意外と小さいなという印象を持った方が多いのではないだろうか?
実際、タマホームの営業担当者が他の社員に坪数を伏せて、間取りと外観デザインだけで何坪の家かと聞いたところ、大半が30坪以上と答えたそうだ。
これは廊下を極力少なくしたり、玄関の奥行きを小さくして、その分各部屋の面積を広げたからだ。
外観その他
では、実面積以上に大きく見える印象を与えるような外観デザインがこちら。
黒を基調としたシックな印象のデザイン。
外観の顔となる北面はふかし壁を採用して凹凸のあるデザインとした。
また、屋根を2枚に分け片流れにして、シャープな飽きのこない印象に仕上げた。
ふかし壁は、庵治造りという日本の伝統的な建築様式に由来し、建物の外壁に突き出しや凹凸を設けることで独特の表情を持つ特徴があります。
安藤忠雄氏の再評価により注目され、現代の建築においても美しさや空間演出の要素として活用されています。
続いて立面図で4方向から確認してみる
この家で周囲からよく見える方向としては、北面→東面→西面→南面の順となっている。
先ほども述べたように、ふかし壁で外壁に凹凸を作ると高級感が一気に増す(その分金額も💦)。
北面に採用。
東面はふかし壁でないものの、サイディングで北面と同じ張り分けをした。
サイディングは工場生産の外壁用板材で、1枚1枚のタイル張りやモルタル塗りの手間が不要です。
そのため、工期が短く、初期費用も一般的にタイルやALCに比べて安価とされています。
南面以外の窓は一般的な引き違い窓を使用していない。
これは、引き違い窓を避けることでありきたりな印象にならないようにとの配慮からである。
正直、南面は採光の関係上ダサい(普通のデザイン)のだが、見えない面なので問題なしとしている。
また、窓の配置、大きさを揃えたり黄金比を取り入れたことで整った印象を与えている。
時々、注文建築で間取りや部屋の機能に合わせた窓を好き放題に取り付けた結果、外観デザインがチグハグな仕上がりになっている家を見かけるが、非常にナンセンスだなと感じる。
外観が素敵な家は家に帰るたびにテンションが上がるので、ぜひ窓には外観上のこだわりを持って検討していただきたいと思う。
建築における黄金比は、古代ギリシャで発見された数学的な比率です。
一般的には、2つの異なる長さの比が、その比率が全体の長さと短い方の長さの比と等しくなる場合に黄金比と言われます。
建築では、黄金比は美的な調和やバランスを生み出すために利用されます。
例えば、建物の高さや幅、窓の配置などに黄金比を取り入れることで、見栄えの良いデザインや調和のとれたプロポーションを実現することができます。
黄金比は美意識を追求する上で重要な要素とされ、多くの建築やデザインに影響を与えています。
古から人間が美しいと感じるデザインは不変だ。
黄金比を意識することで、自ずと正解のデザインが導き出される。
今回はここまで。
気になるオプション&金額についてはまだ次回以降に紹介していくので、お楽しみに。
まとめ
細部へのこだわりが、全体を俯瞰しながらの計算の上に成り立っているってのが、プロですね。
あ、ちなみに黄金比でフィボナッチが浮かんだ人はFXの記事もよろしくねw