海外FXで利益を上げた場合、確定申告が必要で、その手続きや必要書類についてわからない点があるかもしれません。
初めて確定申告を行う方は特に、どのように書けば良いか迷うことがあるかもしれません。
また、確定申告に関する一般的な疑問にも答えることで、現在この問題で悩んでいる方々が手続きを進める際に安心できる情報を提供します。
ぜひ、この記事を参考にしてみてください。
海外FX取引における確定申告の重要性と条件
確定申告とは、所得税を計算し納税する手続きのことを指します。
所得には様々な種類がありますが、その中で海外FX取引による利益は雑所得に分類されます。
通常、会社員として働いている方々は、雇用主が税金の支払いを代行しているため、税金の実感が希薄なことがあります。
しかし、海外FXで一定の額の利益を上げた場合には、個人で確定申告を行い、税金を納付する必要があります。
会社からの給与以外で収入を得る場合、自身で所得税を計算して申告し、納税しなければなりません。
海外FX利益の課税条件と要点
海外FXで収益を上げた際の課税条件は、以下のとおりです。
- 会社員、アルバイト、パートなどの収入者: 年間所得が20万円を超える場合
- 個人事業主、専業主婦など: 年間所得が48万円を超える場合
例えば、会社員やアルバイトのように給与所得を得ている場合、海外FXの年間収益が20万円を超えると、税金の納付が求められます。
ここで重要なのは、「所得」とは、利益から経費を差し引いた金額を指すということです。
会社員の場合、年間利益が20万円を超えていても、実際には経費を差し引いた後の金額が20万円以下であれば、課税の対象にはなりません。
ただし、1円でも所得が発生している場合は、住民税の申告が必要ですので、その点にも留意しましょう。
このあたりの詳細は過去の記事で説明していますので、そちらをご確認ください。
海外FXと国内FXの異なる税率について
海外FXと国内FXの課税方式の違いにより、税率も異なる点に注意が必要です。
海外FXの税率(住民税込み)は15〜55%と幅広く、所得に応じて異なる税金がかかります。
利益が増加すれば、支払う税金も相応に高くなるため、この点に留意が必要です。
一方、国内FXの場合は、所得に関わらず一律20.315%の税金が課せられます。
両方の取引で利益を得ている場合、以下の方法で税金を計算し納税する必要があります。
- 給与所得と海外FXの所得を合算して計算
- 国内FXの所得のみを計算
このような手続きは確定申告の際に増える手間を意味するため、注意が必要です。
課税方法の違いの詳細についてはこちらの記事で解説しています。
確定申告の前に用意すべき書類リスト
確定申告を行う際には、手続きをスムーズに進めるためにも、事前に必要な書類を整えておくことが重要です。
以下に、確定申告に必要な書類をご紹介しますので、事前の準備をお忘れなく。
- マイナンバーカード:マイナンバーカードがあればスマホを使って簡単に申告書を作成できます。
- 源泉徴収票:給与所得者は、会社から渡される源泉徴収票の原本が必要です。2019年以降は確定申告時の添付は不要ですが、所得の入力に必要です。
- 各種控除の証明書:所得控除のための証明書を揃えましょう。例えば、配偶者控除、医療費控除などがあります。
- 経費の領収書:海外FX取引の際の経費を計上するための領収書を保管しましょう。トレードに関連する費用が節税対象となります。
- 年間取引報告書:海外FX業者から提供される年間取引報告書は、納税時に利益を証明するための重要な書類です。必ず保管しましょう。
これらの書類を事前に用意しておくことで、確定申告の際に円滑な手続きが可能となります。
海外FXでの取引に関する年間取引報告書は、こちらの記事でも書いていますが、MT4(MT5)の口座履歴から詳細レポートの保存から履歴を口座ごとに保存して集計します。
解約した口座は履歴が見ることができないので、早めにブローカーに相談しましょう。
国内ブローカーと違ってXMだろうがTAITANだろうが、HFMだろうが、ThreeTraderだろうが全部同じ手順でOKです。
あと、Taritali等のキャッシュバックを利用されている場合は、そちらも忘れずに履歴を上げておきましょう。
確定申告の方法
- 手書きで申告する方法:手書きでの確定申告は税務署や会場で行えます。必要書類と電卓、認印を持参し、申告書に記入します。しかし、手間や混雑がありおすすめしません。
- 確定申告書作成コーナーを利用する方法:国税庁のホームページから確定申告書作成コーナーにアクセス。書面かe-Taxで提出でき、手間が少ないです。
- 会計ソフトを使用する方法:会計ソフトを導入すると業務が効率的に。インストール型とクラウド型があり、用途に合わせて選びましょう。
- 税理士に依頼する方法:税理士に申告のみ依頼するか、顧問契約を結ぶか選択。初心者や節税対策を希望する人に向いていますが、費用がかかります。
これらの選択肢から、自分に合った方法を選んで確定申告を行いましょう。
確定申告書作成コーナーの手順と書き方の詳細解説
確定申告を行いたいけれど、どのように申告書を作成すればいいか分からずに困っていませんか?初めて確定申告を行う会社員の方々のために、申告手順について詳しく説明いたします。
- 確定申告書作成コーナーへアクセス
まず、国税庁のホームページにアクセスし、「確定申告書作成コーナー」を選び、その後「作成開始」ボタンをクリックします。提出方法によって必要な書類が異なります。
以下はID・パスワード方式の申請方法についての説明です。
申請の際は、税務署で発行された「利用者識別番号」と「暗証番号」を入力します。
事前に税務署にて手続きを済ませる必要がありますが、機材などが不要で一番便利な方法です。
- 給与所得の入力
所得税を選択し、「作成開始」をクリックします。申告者の情報や申告内容に回答し、給与所得に関する情報を入力します。
源泉徴収票を参考にして「支払金額」と「源泉徴収税額」を記入します。
- 海外FXの利益の入力
雑所得欄に移動し、「その他」「証拠金取引」を選びます。海外FXの年間取引報告書を元に、「収入金額」と「必要経費」を入力します。
また、「報酬などの支払者の氏名・名称」には、海外FX業者の運営会社名を記入します。
- 納税額の確認
所得税の納税額が表示され、必要な情報を入力して進んでいきます。
最終的には確定申告書の完成画面にたどり着きます。
- 確定申告書の提出
完成した確定申告書を印刷し、税務署に提出するか、郵送で送付します。
混雑を避けるため、確定申告直前の時期には郵送がおすすめされます。
これらの手順に従って、確定申告書作成コーナーを活用してスムーズな申告手続きを行いましょう。
所得税の納付方法と注意事項
確定申告書を提出しただけでは、所得税がまだ納税されていないことに注意が必要です。
税務署から所得税の納付書が自動的に送られてくるわけではないため、以下の方法のいずれかを利用して納税手続きを行いましょう。
納税方法と特徴
- 振替納税(口座引き落とし):税務署、金融機関、またはe-Taxから提供される専用の依頼書を事前に提出し、所得税を口座から引き落とす方法です。
- コンビニQR納付:パソコンで作成したQRコードを使って、コンビニで支払う方法です。
- 電子納税:口座振替の申請を事前に行うか、インターネットバンキングを使用して納税する方法です。
- クレジットカード納付:国税クレジットカードお支払いサイトを通じてクレジットカードで支払う方法です。
- 窓口納付:税務署の窓口で直接支払う方法です。
納付期限は毎年確定申告の期限と同じく3月15日です。
納税が期限を過ぎると、延滞税が発生するため、納付を忘れないようにしましょう。
所得税の納税は確定申告の最終ステップであり、適切に手続きを完了させることで税務に関する義務を果たすことができます。
確定申告時の留意点として
確定申告を行う際には、以下の点に留意する必要があります。
- 推奨環境での確定申告書作成
確定申告書作成コーナーを利用する際には、推奨環境を遵守することが重要です。国税庁が推奨する環境は以下の通りです。- OS: mac OS 10.14(Mojave)、mac OS 10.15(Catalina)、mac OS 11(Big Sur)、mac OS 12(Monterey)
- ブラウザ: Safari 14.1、Safari 15.1
- PDF閲覧ソフト: Adobe Acrobat Reader DC
- 海外FXの所得と国内FXの制度の違い
海外FXと国内FXの税区分には異なる点が存在します。そのため、国内FXで適用される損益通算や損失繰越の制度が一部海外FXでは利用できないことに留意が必要です。- 損益通算: 国内FX業者やCFD、商品先物取引との損益を合算可能
- 損失繰越: 個人の場合、今年度の赤字を最長3年まで繰越可能
確定申告は税金関連の重要な手続きであり、これらの留意点を守ることで正確かつ円滑な申告が行えます。
まとめ
海外FXで利益を得た場合、確定申告が必要ですが、その手続きは実際には簡単です。
特に会社員の方は、給与所得と年間取引報告書に記載された損益などを入力するだけで済みます。
確定申告は、以下のステップに従って進めることができます。
- 収支の計算: 利益と損失の差額を計算します。これには取引所の提供する記録や取引履歴を基にして、簡単な計算を行います。
- 所得の入力: 所得税の申告書に、海外FXでの利益を「雑所得」として入力します。この際、年間取引報告書に基づいて利益を正確に入力することが大切です。
- 経費や控除の計上: 節税を考える際には、関連する経費や控除の計上も忘れずに行いましょう。これにより、必要な税金を正確に納付すると同時に、節税効果を得ることができます。
特に会社員の方は、既に給与所得があるため、その他の収入(海外FXの利益など)を適切に申告することが重要です。
記載すべき情報は比較的限られており、年間取引報告書に含まれる情報を入力するだけで申告は完了します。
しかし、節税を考える際には、経費や控除に関する事項も確認することを忘れずに。
正確な情報入力と節税の意識を持つことで、海外FXでの確定申告もスムーズに行えます。